「この扉の向こうは四次元の世界ですよ」
「そう。何も無いんです。
目に見えるものだけがすべてではないんです」
と、園比屋武御嶽(スヌヒャンウタキ)の門について、
プロの案内人はそう言った。
今回の取材では、プロの案内人に聖地巡りを依頼した。それには理由がある。
斎場御嶽、今帰仁城跡、中城城跡など、沖縄の重要な聖地が世界遺産になったことで注目されるようになり、そして観光地にもなってしまったことで、本来の静かな祈りの場が少しずつその許容範囲を超え、ついには聖地が荒らされてしまう事件までが起きてしまう。
大きな事件は報道されることもあるが、報道されていない小さな出来事も日々起きているようだ。
例えば、斎場御嶽の入口にあたり重要な起点でもある御門口(ウジョウグチ)にある石の香炉の上に土足で乗っかったり、蹴られて落ちてしまったり…。
琉球最高の聖地・斎場御嶽は、かつては一般の人は御門口までしか入場が許されず、その香炉は、場内にある御嶽に祈りを通す大切なもの。
それを知らずに“ただの石だと思って”踏みつけてしまっている人たちも実際にいるらしい。
ならばきちんとガイドするものが必要だ。
斎場御嶽にも、中城城跡にも、オプションでプロのガイドがついたりもするのだが、皆が利用してくれるわけではない。
微力ながら自分にもできることはないだろうか? できることからはじめてみよう。
そこで、本やインターネットを通じて、ご紹介してゆけたらと思い、それを実行することになった。
全14話続く話ですが、お付き合いのほど、よろしくお願いします。
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【1聖地目・園比屋武御嶽・補足解説】
王府公式行事や祭祀では重要な起点となる聖地。『東御廻い』などでは第1番目の拝所であったと伝えられている。
[目次] 01園比屋武御嶽|02御殿山|03親川|04場天御嶽|
05佐敷グスク|06テダ御川|07斎場御嶽|08浜川御嶽|
09ヤハラヅカサ|10受水走水|11知念大川|12知念グスク|
13ミントングスク|14玉城グスク
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