まぼろしの島へ。
柳田國男の著書の中で、五島の三井楽から北へ10里のところに
あったと伝承されている幻の島、高麗島のことが書かれています。
おもいがけない展開から、
その伝説の島の痕跡を、まさか実際に訪ねてみることになるとは。
伝説とは、昔、その幻の高麗島には、
霊験あらたかな地蔵が祀られていて、
ある日、島の信心深い人々の夢枕に出て、
「地蔵の顔が赤くなった時は大難の知らせ。
この島から逃れること」と告げられたのだそう。
しかし、大半の人々はそれをあざ笑い、
心ない者が、わざと絵の具で地蔵の顔を赤く塗り、
逃げてゆく様を物笑いしようとしたところ、
島はたちまち海に沈み、
その直前に地蔵を持って逃れた者だけが生き残ったと言います。
その子孫が暮らす集落へと、訪れてみることになり、
さらには、その地蔵が実際に祀られているという場所にも
ご案内頂きました。
扉を開くと、
首が異様に長く、小さな顔、
他にはまず見ることがない姿をした地蔵が
とても大事に祀られていました。
その子孫の家もまだ数軒残っており、
高麗島から持ってきた陶器も
かつては残っていたのだとか。
島が沈んだとされる一帯には、
時々、漁の網に、その島の陶器がひっかかってくることも
あるのだそう。
高麗島(コーライ島)は=蓬莱島(ホーライ島)という説もあり、
三井楽はかつてミミラク、沖縄でいうニライカナイを示す
ものだというのです。
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