大嶺の御願バーリー (うるく巡りノート03)
近年のハーリーでは競漕が主体となってしまっている地域
も中にはあるのかもしれないけれど、それが全てではなく
旧暦5月4日の海神祭のハーリーには欠かせないのが、
御願バーリー。
浜や集落を接収され、本来の御願バーリーが出来なくなって
しまった小禄の大嶺地区は、
御嶽で御願バーリーを行っている。
この御嶽を遙拝して故郷へとウトゥーシ(通し)、
区民の健康と豊漁祈願をとり行う。
そして、船に乗って渡ってきたと云われる土帝君神を祀っている拝所もここに確認することができた。
だが、先の沖縄戦で木像の土帝君は焼失し、
今は祠だけがそこにある。
しかも実際の御嶽があった場所は現在、自衛隊基地の中。
なにもかも、失ったかのよう。
しかし、目に見えるものだけがすべてではなく、
何も無いところに手を合わせている地域の方々の姿を通して
心の中にそれは今も息づいていることの意味を知る。
その伝統(魂)までを焼失することは決してない。
大嶺の子孫の方々にその精神はしっかりと宿っていた。
※大嶺の地バーリー特集(ryuQ)
http://ryuqspecial.ti-da.net/e1618031.html
« 地バーリー (うるく巡りノート02) | トップページ | 遠い渚へ (うるく巡りノート04) »
「ryuQ取材を通して」カテゴリの記事
- 世界的パワースポットのセドナから著名ヒーラー・クレッグ氏来沖(2010.10.30)
- 天描画家・大城清太インタビュー(2010.10.08)
- 比嘉〜屋慶名〜喜屋武〜大里の流れ(2010.08.28)
- 金城久美子さんの生き方(2010.08.13)
- 北山王の末裔、満名上殿内から郷土愛の地域おこし(2010.08.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント