SOS・島の未来は誰のもの?
ある雑誌の企画で、
「沖縄の地元誌編集長がお届けする那覇ガイド」で、
著名県産雑誌編集部や名物編集人にまじって、
沖縄系WEBではryuQが担当することに。
那覇といえば、国際通りや新都心、
ちょっと裏通りも確かに面白い。
でも、独自の視点でどこかといえば、“小禄”。
ではなぜ小禄かというと、“那覇空港”をクローズアップ。
旅人はもちろん、沖縄から本土に旅立つ玄関口・那覇空港。
ふつうに那覇空港についての紹介ガイドのほか、
自分が担当するのは、那覇空港である小禄大嶺について、
その土地や故郷を失っても大嶺の人々の営みや
歴史・文化を紹介するという、
自分達らしいスタイルでガイドすることに。
那覇空港内にわずかに残された場所には、
グスクやカー(涌川)など大嶺の聖地のほか、
竜宮神が奉られている大嶺岬は、
今も大嶺の漁師さんたちの漁場として
大事にされている場所であり、
かつては、中国から爬龍船と共に土地の神様が
渡ってきたといわれる場所で、浜で地バーリーが
行われていたもっとも大嶺らしい景観が今もあり、
大嶺の人々は、公民館の屋上から眺めたり、
その屋上に拝所を作って遙拝しているのだ。
しかし、取材を進めてみると、
そのわずかに残された昔ながらの景観も
グスクの丘も、すべて埋め立てられようとしていた。
那覇空港の拡張計画のこと。
つい先日、新聞朝刊に2面見開きの大きな意見広告があり、
観光客誘致のため、空港拡張について賛同を呼びかけたものが
大々的に掲載されていたが、どういう埋め立て案かについては
図面や地図は載っていなかった。
そこで入手した資料によると、
4案のうち3案が、大嶺岬や大嶺グスクまですべて埋め立て…
その地域のかたにお話を伺うと、
「その話以前に、大嶺の土地は戦前に強制没収され、
今もその補償などは一切ないんですよ」という。
きっかけは、ふつうに雑誌の取材のはずだったが、
どうやら、また“沖縄”からのSOSのようだ。
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こんにちは、ご無沙汰しております。
たまに拝見しております。今回小禄の大嶺の事で少しびっくりしたのでコメント残しています。
母の実家が大嶺で、戦前は広大な土地を所有していたのに、混乱で没収されたことは聞いていました。
(今でも搾取搾取が続いているようですね。。。)
kuwaさんの記事で、詳細を垣間みれたような気がして、とても良かったです。しかも歴史的にも色々あったところなんですね。子どもの頃によく行きましたが(山しかなかったのに相当様変わりしているらしいですね)、もう20年近く行ってないので、感謝を伝えるためにも機会を作って行ってみようと思います。ありがとうございました。
ご挨拶遅れましたが、お元気ですか?
この狭いオキナワなのに、いつも記事が充実していて、切り口や見方でもこんなにも変わるのだな〜、と感心しております。がんばってください。
投稿: kyota | 2007.10.26 09:47